医学の勉強は暗記だけじゃない!!! 

2020/5/17

~前編~

はじめまして!

筑波大学医学類二年生のやんばーと申します。慶應に通う友人からお話を頂き、この記事を書かせていただいております。

この記事では僕が秋からの半年間、筑波大学で基礎医学の中の六教科(組織学、生化学、分子細胞生物学、免疫学、感染症学、生理学)を学んだ経験をもとに、「医学部での勉強は暗記ばかりでつらいの?」というテーマについて話していきたいと思います。

(※筆者はまだ解剖学など、「本当にきつい」と先輩方が口にする科目を経験しておりません。その点はご了承下さい)

一般的に、医学部というと「暗記、暗記、暗記・・・暗記楽しいだろ?楽しいって言えオラッ!!!」というイメージがありますよね。笑

僕ももちろんそのイメージを持って、秋学期から始まった医学の授業を受け始めました。(筑波大学は基礎医学が一年生の秋からスタートします。これは他の大学と比べて少し早いようです。)

組織学、生化学は授業をほとんど聞いておらず(!!!)、前の授業を聞いていないので次の授業も分からなくなり、モチベーションはどんどん低下。教室に行っても退屈な授業、自分で勉強しようにも量が多すぎて、それはそれは苦痛な時間が流れており、授業を切って友達と遊びに行くこともしばしばありました。

しかし、僕は昔から、「どれだけ授業をナメていても、試験は良い点数を取りたい」と考えるタイプでした。むしろそれがカッコいい、思っていたのです。そこで、「コイツは授業聞いてないけど、なぜか点数は取れる」というところを教授に見せつけることを考えました。今から振り返ると、プライドだけ高い本当にしょうもない奴ですね…笑

そこで試験前になると、医学部に入って最初の医学のテストという緊張感が周りにもあったのも重なって、僕はかなり必死にこの2科目を勉強しました。膨大な手付かずのプリントを読み、まとめノートを作り、数年分の過去問を解き進めていくうちに、詰め込みで覚えていくのは辛いけれど、自分の知識が増えて段々と過去問が解けるようになっていくのが、少し嬉しかったのを覚えています。

無事二科目のテストを終えた僕は、「やり切った」感はありつつも、やはり授業を聞いていないせいか、周りの同級生と比べても、「まぁまぁ」な出来に終わってしまいました。これがかなり悔しかった僕は、「どうせつまんないだろうけど、次の分子細胞生物学は授業全部聞いてやる」と心に決め、真面目に教室に行くことを誓いました。()これを友達に話すと、いや、できるわけねえよ!と笑われたのを思い出しました。笑

~後編~

さて、

「分細(分子細胞生物学)の授業は絶対に全部聞く。寝ることもあるかもしれない、、、けど、起きてる間は!」と心に決めた僕は、どれだけつまらない授業があっても、教授の解説のメモを必ず取ることに決めました。

これが僕にとっては転機でした。

分子細胞生物学を簡単に言えば、生体内(macro)で起きている現象を、分子や細胞(micro)の相互作用として解析しよう」という分野です。

確かにこの科目も覚えるべき事項が多く、大変な科目でした。しかし、勉強をすればするほど、DNA、RNA、タンパク質にまつわる様々な生命の遺伝現象や細胞や分子の働きについての知識が増え、それにまつわる病気についての理解が深まり、「元を辿るとこういう分子機序で病気が起きている」とか、「人間にはこういう装置があるから、遺伝情報が正確にコピーできたり、受け継がれたりすることができるんだ」ということを学ぶことができました。

筑波大学にはコアタイムという、PBL(Project Based Learning:課題解決型学習)型の授業があるのですが、そこでは、まだ自分達の知らない(授業で習ったことのない)議題について、皆で討論をしながら考えていきます。僕はこの科目のコアタイムが行われたとき、今まで以上に自分の知識の引き出しが増えていることに気づきました。そして、手に入れた知識をもとに思考ができるということは、思った以上に楽しいことだ、とも感じたのです。

ここで僕は、無味乾燥な暗記は、「自分の頭でその知識を基に考えられる」ようになるための準備だということを痛感しました。暗記の先には、今まで以上に面白い世界があるし、むしろ知識はアウトプットしてはじめて意味があると思います。

ですから僕は、過去問をよく研究して、「教授は俺達にこの知識をどういう形で使えることを求めているんだ?」ということを第一に考えるようにしています。

免疫学、感染症学、生理学を終えた今、病理学や薬理学などを学んでいますが、勉強をしていけばしていくほど知識が増え、それと比例して紐付けて考えられる(頭のなかで整理できる)情報も増えていっていることを実感しています。Aは確かこうだったから、じゃあBはこういうことで、Cはこうだったよな、という知識の相対的な位置関係が頭の中でできてくると、「こんなの知らねえよ」ということに対するストレスは明らかに減少していって、覚えることが楽しくなってくると思います。実際に、いま免疫学や生理学で学んだ内容が、モロに病理学や薬理学などと関連して絶賛登場中です。笑

点どうしの知識を、線で結んで色々なことが考えられ、自分にとって未知の現象や病気について考えられるようになると、もっともっと医学が楽しく学べると思いますし、僕もそれを目標に勉強しています。もちろん死ぬほどつまらない授業もあるし、まだ高学年になってもいない未熟者ですが、「アウトプットこそが暗記の本質である」という信念のもと、これからも精進していきたいと思います。

ですから、「医学部の勉強はきついのか?」という問いに対しては、「まだ低学年なので偉そうなことは何も言えない。しかし、過去問やシケプリなどを参考に、アウトプット型の勉強をしていけば、確実に世界が広がり、楽しくなる瞬間は待っていると思います。」というのが僕なりの答えです。

長文かつ、まとまりのない稚拙な文章になってしまったかとは思いますが、ここまで読んで下さった皆さんに心より感謝を申し上げます!

by.やんばー

 

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