自称進学校の底辺女子中学生が一浪して医学部に入るまで

2020/5/26

初めまして。今春から東京慈恵会医科大学医学部医学科に入学しました くま と申します。

同じく今年度医学部に入学された皆さん、おめでとうございます。今年はCOVID-19の影響で入学式もなくなり、新生活はオンライン授業での幕開けになって戸惑っておられる方もいるのではないでしょうか。私の学校でも4月半ばからオンライン授業が始まり、ひたすら課題に忙殺されている方も多く見かけます。せっかく受かった大学ですし、早く登校が始まって欲しいですね。

 

さて、今回はオンライン授業にも慣れてようやく大学生になった実感が湧いてきたので、この機会に自分の受験期について振り返りたいと思います。

 

私の大学では(どこの大学もそうだとは思いますが)新入生のLINEグループがあり、そこで皆自己紹介をするのですが、私は皆の自己紹介を見て本当に驚きました。

 

みんな、なんてエリートなんだろう…

 

私は所謂「自称進学校」と言われる中高一貫の女子校を卒業しました。中学受験の偏差値は大体45ぐらい。受けたらほとんどの人が受かるような学校です。決して悪い学校ではないのですが、進学実績は麻布や開成、桜蔭などとは比べものになりません。早慶やGMARCHに入れたら大したものだ、素晴らしい。そういう学校でしたから、医学部に入るのはほんの一握りの限られた上位の人だけでした。(ちなみに、今年度の医学部合格者は重複・浪人・推薦含めて12名)

 

しかし私はどうしても医師になりたかった。小学生の時からの夢でした。ではどうするか?

何としてでも学年で少なくとも5番以内にいなければお話になりません。

「元々偏差値が高くない学校だから上位になるのは楽なのでは?」そう思うかもしれません。私も入学当初はそう思っていました。しかし実際は違うのです。

私の中学は小学校からの持ち上がりの人がいるのですが、小学校受験はそれなりに難しいので、その人たちは概して優秀で、中学入学時の偏差値が45ぐらいの私の立ち位置は中の下でした。私は完全に戦意を失い、大した勉強もせずに、友達と騒ぎ、多少の悪事にも手を染め(笑)、何となく医学部には行きたいと思いつつ毎日を漫然と過ごしていました。当時から医学部に行きたいことは公言していましたが、おそらく皆ふーん、ぐらいにしか思っていなかったんじゃないですか?

 

そんな私に転機が訪れたのは中3の12月でした。母がたまたま見つけた塾で私は中学数学を最初からやり直し、今まで適当に授業を受けていて穴だらけだった基本から埋め直しました。学校では既に高校数学に入っている時に、中1の内容からやり直すのは精神的にも大変でした。しかしこのチャンスを逃したら、もう二度とやり直せない、そう思ってただひたすらやっていました。

何かにつまづいた時、基本に戻るというのは一見遠回りですが、確実です。良い先生に巡り合ったのもあって徐々に成績は上がっていきました。数学の成績だけなら、高1の時は既に学年一位、というところまでいきました。

 

ではこれで万事解決か?

 

いいえ、そんなことはありませんでした。数学一科目で医学部は受けられません。少なくともあと理科2科目と、英語も必要です。残念ですが高1の時の化学の定期試験はほぼ30点台、良くて50点でした。物理は大体30点、良くても40点ぐらい。英語は長文は読めましたが、文法は一つも頭に入っていません。文型すら何のことかわかりません。単語も真面目に覚えたことがありません。

 

みなさんが私と同じ状況なら、どうするでしょうか。諦めるでしょうか。

 

私は、諦めませんでした。夢を諦めたくなかった私は、部活をやめ、数学の時と同じように化学や、英語も一からやり直すことにしました。思った通り、成績は上がっていきました。

 

では、これで本当に万事解決か?

 

いいえ、そんなことはありませんでした。高2になった私はなぜか数学がスランプに陥り、所謂「数弱」になったのです。模試の偏差値は50ぐらい。学年順位も落ちていました。しかし当時学校に赴任した化学の先生が非常に素敵な先生で、私は一気に化学が好きになり、数学のことは全く気にしませんでした。

 

高3になり、いよいよ本格的に物理もやり始め、秋からは過去問演習も始めました。模試の判定は慈恵も含めて大体DかC。数学のスランプから遂に抜け出すことなく、受験期を迎えました。

残念ながら、現役の時は物理も仕上がっていなかったので、一校を除き全て不合格。再起を誓い、浪人を決意しました。

 

浪人した一年間は、ひたすら物理と数学に時間を費やしました。数学はまた、I Aからやり直し、物理も力学からやり直しました。みなさんは、聞いたことがあるでしょうか。物理は、ある時飛躍的にできるようになる教科だと。私は全く信じていませんでしたが、何と私は浪人の12月にそれを迎えました。本当に、I年間で信じられないぐらい成績が上がりました。何事も、基本に立ち返るのは大事なんですね。数学もかなり安定し、そのまま受験期になりました。

 

さて、私は無事に受験を終え、今は慈恵1年生としてこの記事を書いています。今振り返ってみれば、やり直しの多い数年間でしたが、出会うべき時に出会うべき素敵な先生に出会ってここにいると実感しています。この受験期を支えてくれた家族、友人にも感謝しています。

 

また、読者の皆さんに何よりも伝えたいのは、みなさんは本当に「エリート」だということです。医学部に入った皆さんは、出身高校の中でも良く出来る方の人だったと思います。それなのに、大学に入ったら、もしかしたら自分よりも出来る人にたくさん出会って、絶望している人もいるかもしれません。しかし、繰り返しますがみなさんは「エリート」です。私の出身高校のほとんどの人には手の届かないところにみなさんはいるのです。上ばかり目指してきたみなさんの多くにはピンとこない考えかもしれませんが、今皆さんがいる環境に入るというのは、ものすごく大変だし、すごいことです。だからもっと自信を持って、今いる環境やすべての人に感謝して、学校生活を楽しんでください。私は今、とても楽しいです。

 

長くなりましたが、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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