高校のような大学のようなナニか
旭川医科大学2年生(19年入学)のY.Sです. どうぞお見知りおきを.
弊校の特徴、カリキュラム、地方国立単科大の生活などもろもろを書いてみます.
1.1 学校の雰囲気やいいところ
1.1.1 学校の立地
旭川医科大学は73年創立の%%歴史も伝統もない%%新設医大に分類される、地方単科大になります. 医学科と看護科のみの単科大で、もちろんキャンパスは6年間同じです. 知名度が低いので仕方ないのですが、これでも一応国立大学(貧乏)です. 道内では3番手になりますが、関連病院のエリアとしては道北・道東エリア全域を抱え%%バカ%%でかいです.
地方医大の例に漏れず、地域枠を拡大していますが、だいたい道民:道外比率=6:4くらいです. 三次救急の拠点を守るという方向性の”地域医療”ということをふまえておくと将来によいかと思います. 道民ネタがわかると話になじみやすいかもしれません. 全く知らなくてもどうとでもなりますが、先生のジョークの笑いどころがわかっていれば面白いですよね.
旭川空港からはバスで15分ほど. HNDまでJAL4便・ADO3便、NGYまでANA1便が飛んでおり、それなりにアクセスはいいほうです. (ITMは随分前にNGYに変わってなくなりました. 夏に季節便が飛んでいるようです.) 札幌までは電車で1時間半ほどになります.
国内最低気温のレコードを持つ旭川市ですが、やはり道内でも寒いほうで、そこらへんは覚悟して受験するべきでしょう. 観光客も多く人口も圧倒的な札幌市よりはだいたい5度ほど寒いです. マイナス10度はザラにあります. 追い討ちをかけるようですが、校舎が台地の上にあるのでさらに寒くて乾燥しています. やはり北海道というべきか、雪はたくさん降りますので、ウィンタースポーツが好きならいいでしょうね. 私は北海道のパウダースキーがやりたくて受験しました(本当です). 今年は小雪・悪雪で散々でしたが… 日本一大きなロコスキー場に行ったり、足をのばして富良野や大雪山を攻略したりできます.
盆地なので夏はそれなりに暑く、北海道のイメージほど涼しくはないかもしれません. からっとした暑さで、猛暑日はありませんので、内地に比べれば圧倒的に過ごしやすいでしょう. 短い夏を満喫してください.
大学に残念ながら大学寮はありませんので、基本は近辺に一人暮らしするか下宿することになります. 物価は安く、周辺に一通りのものは揃っています. 趣味のものが限られていて、そこはすこし厳しいかもしれません. キャンパスは市内でも割と外れのほうにあり、中心部まで車で10分、バスで30分ほどかかります.
大正義札幌市のおかげで、テレビ東京系含め民放5局全て揃っています(意外と民放5局揃ってる県は少ないんですよね). チームナックスの深夜番組を観るのもいいかもしれませんねw
1.1.2 イベント
4月 | 新歓 |
5月 | 早期体験実習 |
6月 | 学祭 |
7月 | 中間試験 |
8月 | 夏休み |
9月 | 期末試験 |
10月 | 介護施設実習 |
11月 | 中間試験 |
12月 | 冬休み |
1月 | |
2月 | 学年末試験 |
3月 | 春休み |
まず注意事項なのですが、夏休みが7月下旬から8月中旬までで、前期期末試験が終わってから休みに入る(まともで普通な)他大学とはスケジュールが違います. 高校の同期と遊ぼうとか考えている場合は気を付けてください.
5月、11月に緩和ケア科の教授の指導のもと、数人ごとに分かれて市内の介護施設を訪問し、実習させてもらう日があります. 2年次では道内の二次医療圏の基幹病院に訪問する実習があります. 留萌から釧路まで、どこに行くかはわかりません. 正直遠いです.
4月に新歓期間が2週間あり、タダ飯をいただきながら部活の雰囲気を感じてみる期間です. 先生たちもまず登校する習慣をつけてもらう意識で、お客さん期間ですね.
学祭から東医体まで浮かれ気分が続きます(笑). 学祭はこぢんまりとした感じで、各部活が食品の出店を出すくらいです. 広い敷地を活かして花火を打ち上げるのが特徴でしょうか. 医者・医学生狙いで、地元のベンツ代理店から見本車を借りてきて入口に展示するのですが、壮観です.
1.1.3 カリキュラム
1年次が般教、2年~3年次で基礎医学、3年次~4年前期で臨床医学をやり、4年後期からポリクリとなっています. リスクファクター(留年リスク)は1年、2年、4年(CBT)と言われています. 仮進級制度は2年次からで、1科目のみ40~60点であった場合は仮進級が認められているようです. 留年の連続は認められておらず、つまり留年した次の年は進級できないと放校になるシステムです. 解剖実習は2年後期にあります.
1年生の授業のポイントとしては、これはどの授業も一緒ですがまず出席すること(とりわけ寒いので布団から出られなくなるのが致命的ですね). 宿題の量はそこまでたいしたことありませんので、生きていけばなんとかなります. 面倒くさい課題が多い気がします. 授業自体はていねいに講義してくれるので、地方医大にありがちな理不尽な展開も少なく、わかりやすくすっきりとしていると思います. ただ、内容自体は全然難しくはないのですが、理解に苦しんで物理と化学でつまずく人が多いので気を付けてください. 物理は高校物理を概説して、ひずみと応力、原子の辺りをちょっと深掘りします. 化学は前期で物理化学(アトキンス)、後期で有機反応基礎をやる感じですかね. マクマリーは出てきません.
これは本質情報なのですが、弊校は二外を回避することができます. 一応形ばかりの選択授業(高校の必修選択と同じ仕組みです)があり、二外を独仏中露から選べるのですが、二外の代わりに「医学古典講読」という「古典に出てくる医学に関係しそうな文言がみられる文献を現役のお坊さんと一緒に通読する」という授業を取れます. 藤原道長が糖尿病を悪化させていく様子を文献からひもとくなど、面白くしかも楽単です.
グローバル化対応を進めつつあるようで、今後全学生にTOEFLを受験させる方針のようです(現在は一部学生のみ).
1.2 いいところ、覚悟しておくところ
1.2.1 ここはたぶんいいところ
教職員・学生ともにつながりが多くなる
地方医大にしては云うほどひどくない、むしろ快適
親孝行
センターが取れれば入りやすい
飯がうまい街
ゴ○ブリがいない、スギ花粉がない
1.2.2 ここは覚悟しておけ
寒い。
高校。
コミュニティが狭すぎる
ファミマがない(北海道はファミマ少ないんですよね)
学食がアレ(総合大学と違って競争がないので…)
生協がない(生協の上納金のほうが高くつくので、市の外郭団体がやっている)
WiFiがある(使えるとは言ってない)状態だったり、ホームページがあの体たらくだったりねっとりテラシーに疑義がある
いろんな意味で必要最小限に特化してる
1.2.3 自分の失敗談
「旭川医科大学に入ったこと」
受験勉強がだるかったのでとくに何も考えず、私立も含めて「全部同率第一志望」というマインドで受験し入学した結果、思ってたんとちゃうなぁという感覚を抱いています.
とはいえ、合格を貰えたということはなにがしかの縁があったのだと思います. 優秀な後輩諸氏には釈迦に説法でありますが、この学校はこういうところなのだというのを肌で感じてから受けてほしいです.
親戚の都合で旭川には土地勘があったので、スキーがしたくて受験校に選びましたが、満足しています.
山ほどある気はしますがひとつだけ.
1.3 学校周辺のおすすめの場所、お店(グルメ等)
1.3.1 スキー場(Kamui Ski Links)
日本一広いロコスキー場といっても過言ではない. 内地からの知名度はほぼゼロに近いが、極上のパウダースノーはぜひ体験してみてもらいたい. ニセコ、富良野に飽きた外人が最近よくやってくる. 経験者ならばバックカントリーも最高だろう. 幅の広いゲレンデに客はがらがらなので、めいっぱいカービングでカッ飛ばせる. 市内から近く、ゴンドラがあり寒くないのもポイント. ゴンドラ1本で全部のコースを周回できる、適度な広さもよい. (ニセコ、トマム、富良野は2~4山に分かれているので周遊はしんどい)
1.3.2 キッチンキャスケット(ハンバーグ屋)
ビブグルマン受賞歴のある、道産食材にこだわったお店. 注文を受けてからひとつずつ手作りするふんわりとした食感はぜひ一度食べてみてほしい. ちょっと離れているので、こういうお店に時々行きたいことを考えるとクルマがあったほうが何かと便利だと思います.
1.3.4 旭川ラーメン
醤油ベースのこってりとした甘いタレとダブルスープが中太縮れ麺にからみつく. 寒さに対抗するためにのった分厚いラード. 好き嫌い分かれるかもしれないが…… 青葉、天金、梅光軒など有名店が多いが、とくに当地発祥として名高いのが山頭火. 写真は旭川空港の「鷹の爪」(ここ多分厳密には旭川ラーメンじゃない気がする).